箱……漆
第5章 白雪姫
ガタン…ガタン―――…
痛い……
頭が割れるように痛い…
目の前が…ボヤけて見える―…
「あ゛…ぁ……」
「目を覚ましましたか?」
ぼんやり感じる…男性の声に……
「ぁ…あ゛…(ここは――――…)」
声を出したくても…
唸る声しか…
俺からは出てこない…
「ぁ…あ゛〜〜〜…」
「すみません…無理矢理連れてきてしまって…」
次第に…ぼんやりしていた視界が明るく…焦点があっていく…
「ようこそ……“小人の棺”へ」
「う゛…ぁ…」
いまだに声は出ないが……
男性の姿が見えた――――…
“小人の棺”……
白雪姫が毒リンゴを食べて死んだ際に…七人の小人が作った…姫の棺…
美しい姿が見れる様にと…
ガラスで作った……棺のことだろうか
「――――ここは…とあるコンテナの一つ…
冷暖房施設の徹底管理と独自の警備システム…
姫の状態管理と後処理が完璧に行われる…完璧な棺…」
男性が俺の側に腰を下ろし…俺の頭を撫でる―――――…