箱……漆
第1章 妹
俺は、妹の死を目の当たりにして―――…
なんで…もっと早く探してやらなかったのか…と…
後悔した―――――――…
二年前…大学に合格した時…
俺の稼いだ金で行かせてやれるって……ちょっと…
誇らしくて…
嬉しかった事を覚えている…
高校だって……
事故の後で…すぐ受験で…本当に大変だったに違いないのに…
ちゃんと合格して…
「これで…お父さんもお母さんも安心するかな?」
って――――――…
お墓に…二人で報告に行ったんだよな…
「お兄ちゃん!ありがとう…」
って……
いつも…言ってくれる―――…
優しい…妹だったのに…
――――――――…そりゃ…
ねーよ…神様…