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君と僕。

第9章 君と僕と罰ゲーム

「じゃ、ローションとコレ、ね。俺は外で待ってるから」

心底嬉しそうな時雨さんの背中を見送りつつ、世界が滅亡してしまえばいいのにと願っているのには理由がある。

事の始まりは2時間前。

久しぶりにテレビゲームをしようと言って、押入れから今では古いタイプのゲーム機を出した。

『懐かしいですね』

『すごろく形式のやつあったよね?あれやらない?』

『あ、いいですね』

サイコロをふって、進んだコマに書いてあるミッションをこなすゲームだ。
ミニゲームもあり、昔二人でハマったのを憶えている。

『蓮君』

配線を整えていると、時雨さんがコントローラーに電池を入れながら声をかけてきた。

『はい?』

『負けた方が勝った方の言うこと聞くって言うのどう?罰ゲームに』

普段なら乗らない。
ほとんどのゲームで時雨さんに勝つのは不可能だからだ。
しかし今回はスゴロクゲーム。

ほぼ運ゲーだ。

『良いですね』

この時の僕をぶん殴りたい。

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