4月は君のぬくもり
第3章 由衣の決断
晶午side
アパートの玄関の脇にある、植木鉢の裏を探った。
「ふっ」
先生は教えたとおり、そこに鍵を置いていた。
ドアを開けて明かりをつけると。
「おお〜っ!?」
俺は一瞬、ここがどこかと思った。
天井から足元と、目をさらのように動かして、部屋中を歩き回る。
すごい。先生やるじゃん!
ん?
ふとテーブルに置かれたメモを手に取った。
そこにはこう書かれていた。
(お疲れ様!
お風呂沸かしておいたからね。
じゃあまた明日学校で)
「…」
かすかに部屋の中には
先生の香りが残っていた。
そして俺を見送った時の
あの明るく可愛い笑顔が
急速に胸に蘇ってきたんだ……。
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