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果てない空の向こう側【ARS】

第2章 長男・智(ゲージツ家)

ベッドに放り投げていたスマホにメッセージがあった。


長瀬からだ。


セレクトショップの経営者の長瀬から、アクセサリーの今月分の売り上げを取りに来いとのことだった。


俺は、『今から行く』と返信した。


一階に下りると、母ちゃんが夕飯の支度をしていた。


智「母ちゃん、長瀬の店に行って来るよ。」


母「そう? 帰りに醤油買って来てくれない?」


智「わかった。」


俺は、ギョサンを突っ掛けると家を出た。


西の空は夕日でオレンジに染まっていた。


智「潤の天気予報は当たんなかったな…。」


長瀬の店は、駅前の商店街にある。


片道15分の道のりをてくてくと歩いた。


下り坂を歩いていると視線を感じて、あたりを見回すと塀の上に猫がいた。


しばらくお互い見つめ合っていたが、猫の方がぷいと目をそらして行ってしまった。

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