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方位磁石の指す方向。

第5章 scene 5

二宮side



『翔さんお疲れ様』


そう打って、送信しようと
したとき、
手を止めた


…もう一言、なんか…。


『翔さんお疲れ様
カッコよかったよ』


…うん。
これでいいか。


緩む頬を自覚して、
送信ボタンを押す。

…カッコよかったのは
事実だからね。


目に焼き付いて離れない
あの真剣な表情。

カッコよかったなぁ…。


…ふふ、
いくら思い出しても
飽きないんだなぁ、これが。


「…んふふ、」


緩みっぱなしの頬。

抑えきれない感情。

翔さんへの愛しさ。


すべてが込み上げてきた。



…大好き。

ほんとに好き。
おかしいくらい好き。



あんなの、誰にも
見せたくないよ──…

俺だけ…

俺が愛してるのは、
翔さんだけ──…うん。
絶対そう。

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