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方位磁石の指す方向。

第13章 scene 12




「…大丈夫だ。」


反射的に、答えてしまった。


「…ほんと?」

「二宮がそんなに思い詰めなくても、
いい話だと思う。
…なんなら、その友達と
これからは帰ってもいいし…。」


二宮にとって、それがいいなら、
俺はそれだっていい。


「…うん。」


…あれ?

まだ、何か悩んでいるのか?


「…あした、」

「…?」

「明日世界が終わるなら、
俺は二宮といたい。
二宮との“日常”を過ごしたい。

…だから、今は悩んでる時間なんて
無駄だし、もっと楽しもうぜ。」


…咄嗟に変なことを言ってしまった。

何言ってんだ、俺。


「……ふふっ、」

「何笑ってんだよ、」


二宮の顔に笑顔がやっと戻ってきた。

そのまま、ぎゅ、と強く手を握られた。


「俺も、明日世界が終わるなら
翔さんといたい。…ふふ。 大好きだよ。」

「…おう。」


照れ臭くて、“大好きだ”
だなんて伝えられなかった。

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