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方位磁石の指す方向。

第3章 scene 3






…え、まさかもう、
バレてたりする…?


「…お前の基準って
付き合うなのかって
きーてんだけど?」

「はっ、いや!?
な、なに言ってんの!!」



顔が熱くなるのが
嫌でもわかってしまう。

…やだ。…いやだ。


「なに、お前。
からかってんのに
本気にすんなって。」

「かっ、からかう?
…え?」

「ぷっ、今までの全部
からかいだけど?

…なに?違うの?
お前は本気にしたってわけ?」

「はっ、ち、違うし!
なに言ってんの!」


バレる。
間違いなくバレる。


俺は分かりやすいから。
反応しちゃうから。


「…ふふ、わかりやす。
お前翔ちゃんと
付き合ってんだろ。

別に変だなんて
思わねえよ?」

「智…」


優しい言葉に、
なんだか胸が締め付けられて。



…ぽろっと。
そう、ぽろっと
口に出してしまった。


「…翔さんと、
付き合うことになった…」

「ふは、やっぱな~
翔ちゃんいつになく
ご機嫌だったもん。」


智がふははって
柔らかく笑う。

…俺、幸せ、かも。

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