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上エッチ新幹線

第6章 仲谷慎之助の事情①

「すみません。片道だけになってしまって」
「私の方こそ無理を言ってしまって
ごめんなさい」

財前朋美39歳。

既婚者。

東京駅から新潟駅間の往復で
毎回俺を指名してくれる上客。

「無理なんかしていませんよ」

列車が走り出すと
どちらともなく手を握る。

俺が朋美の手を握る力加減は
強い想いの表れである。

俺は朋美に恋をしている。

三ヶ月前
朋美が客として
この列車に乗車した時から
ずっと片想いしている。

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