君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
「ふぃ~っ」
疲れた体に染み渡る
「智…じじくさ…」
「ほっとけ」
温泉は堪能する為にあるんだ。
翔ちゃんの言う通り
高速を降りてすぐに、近くにあったショッピングセンターで着替え一式を買った
そして、看板で日帰り温泉を見つけ…
現在、熱めのお湯の中
時間的になのか、人が少なく
貸し切りに近い。
「いいとこあったねぇ…」
翔ちゃんが、湯船の中で腕を伸ばす
そのまま俺を振り返ると
「たまにはさ、こんなのもいいんじゃない?」
気持ち良さそうに笑った。
つられて俺も笑ってしまった。
しばらくはお互い無言で
俺は単純に、この温泉を堪能してるんだと思ってた
だけど
さっきから、翔ちゃんの表情が
…曇ってない?
気付かれないように
観察をつづけて見ると
遠い目をしたり、溜め息をついたり
…何が考えるような顔したり
やっぱり、何かが引っ掛かってるんだろうな
でも、口を割らない事にはどうしようもないし、聞き出せないし
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