君がいるから~Sweet Life~
第3章 e
デスクに座り、帰り支度をしていると
「櫻井さん、お先です」
二宮が声を掛けてきた
「ああ。また明日」
社内用のスマイル
「…上手く炊けたら、教えてくださいね」
誰にも聞こえないように、二宮がこっそり囁いて
ウインクなんてものをしてきた
「おぅ…任しとけ」
俺も負けじと同じ事を返す
もちろん、回りをチェックしてからだけど
「…たかがご飯にドヤ顔ですか」
「うるせぇよ」
声を殺して、二人で肩を震わせる
「あ、行かなきゃ!じゃ、櫻井さん頑張って下さいね」
そう言うと、二宮は足早に帰って行った
…どうせ雅紀と待ち合わせだろ
後ろ姿、嬉しそうだぞ(笑)
「さて」
俺も、支度を終えて鞄を持つと
「お先に」
残ってる人に声掛けて
ようやくオフィスを後にした
早く帰ろう
愛しい人と暮らす、あの家に
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