ラブリー
第1章 いとしいひと
ガバッ。
「わっ…」
にのの体を力任せに抱きしめた。
「く…苦しい…。」
「ごめん。でももう少しこのまま…。」
されるがままだったけど、にのの手が俺の背中に回されて、ギュッと抱き返してくれる。
長い長いキスをして。
にのの肩に顔を埋めて息を整えた。
そのあとゆっくり顔中にキスすると小さな笑い声。
「なに?」
「俺、愛されてる…なぁ…
って思って。」
「うん。知ってたでしょ?」
「…まあ…ね。」
「まあね、ってなんだよ。」
「ふふふ。」
まだ笑ってる。
唇に舌を差し込むと条件反射で絡み合うから、さっき整えたばかりの息がすぐ乱れた。
「にの?ベッドで待ってて?
シャワー浴びてくる。」
「うん。ちゃんと温まっておいで。」
「寝ないでね?」
離れたくないけど。
名残惜しくにのの体から離れた。
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