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ラブリー

第3章 la vie en rose



a



やばい



はずかしい



どうしよう



いろんな感情がぐるぐると渦巻いてる。


キスしてる、俺。


唇を動かせなくて、息もできなくて。

いきなりだったのもあって閉じ忘れた目を一度顔越しの部屋に移した後で目の前の顔に焦点を合わせた。



なんで目ぇ開けてるんだよ



目が合って一瞬、照れたように細められたその目に囚われてると、ツンと押してきた唇に胸がギュンとなる。

離れていった唇を寂しく思いながらザワザワする思いを抑えるように静かに息を吐いた。

さっきまで見てた台本がベッドの上から床に落っこちてる。

それを取って上に戻すと、

「ありがと。
なんか飲む?」

「うん。」

お礼なんか言うあいつの顔を見たいのに見れない。

キスの最中とは違ってお互い目線を合わせないまま。

だけど、なんてことない会話に少しホッとした。

ちょっと待ってて、と冷蔵庫に向かうあいつの後ろ姿を見ながら、なんか嫌だな、って思った。

あっさりした態度も、この場からさらりと離れたことも。


いろんな感情の中。



うれしい



そういう感情が確かにあって。

それよりも、なによりも。



好きだ



ただ…好きだと思った。

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