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第32章 かわいいひと〜離れていても〜



『ごめん!
遅くなった。もう着くよ。』

そこからの俺の早さったら。

携帯と鍵だけ持って玄関に向かって、

「母ちゃん!
出てくる!友達んとこ泊まるから!」

そう叫んでサンダルをつっかけてドアを出る時、背後から母ちゃんの呆れた、はいはい、って声を聞いた。

うはっ!

和也!

階段を登って先生んちの前に着いてすぐ、下から先生らしき足音。

「かずっ…」

大きい声を出しそうになって慌てて口をつぐんだ。

「お!おかえり!」

先生が俺を見つけて上がって来るのを階段のところまで行って待ち構える。

「和也もおかえり!」

先生に抱きつきたい気持ちを抑えて荷物を受け取って部屋に向かった。

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