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異彩ノ雫

第17章  八ノ月 ③




蒼い夜に咲く大輪の華

幾重にもあでやかに…



そっとうかがう傍らには

彩りを映す艶やかな頬

そして

胸元へつたう涙ひとすじ…



束の間

ざわめきが遠去かる



心揺れるまま 絡めた指を強く引けば

華の宴も時は極まり

川面に流れ落ちる炎の瀧…



抱き寄せた肩越しに

闇を焦がす火の粉が上がる







【短夜(みじかよ)】



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