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問題児とオタク少女

第1章 出会い

清々しい朝だった。

今日は珍しく早起きして、正門に立っていた。

遅いなぁ。

「みゆこー!ごめーん!遅くなった〜!」

あ!まったく。やっときた。

「りこ、おそーい!結構待ったんだよ〜?」

「ごめんってばー」

私は今日から中学2年生になる、佐々木美優。

親友である篠田璃子には、みゆこ、と呼ばれている。

それにしてもどきどきするなー。クラス発表。

璃子とは、中1の吹奏楽で知り合い、それからは親友とまで呼べるほどになった。

それまでの私は、地味でノリもよくなかったが、璃子のおかげでいろんな友達が出来た。

これまでの思い出を振り返れば、たくさんの思い出が蘇り、瞳が潤んだ。

「みゆこー!早くクラス見に行こうよ!ほら、ぼーっとしてないで!!ね!」

璃子…!

「うん!いこいこ!!」

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私は2ーCになった。

もちろん、璃子も一緒だ。

出席番号順の席に座り、3つ後ろの席の璃子にピースサインをして見せた。

璃子はニーっと笑い、ハートマークを手で作って返してくれた。

璃子、いつも本当にありがとう。急にそう言いたくなった。

だが、言えることもなく一人で伏せてニヤついていた。

はたから見れば、間違いなく変人であろう。

そう言われることも慣れている。何を隠そう、私は漫画、アニメオタクなんだ!

アニメや漫画を愛して6年間。自腹で本を買い、色んなアニメを録画し、楽しんできた。

そう言えば、みんなに引かれるに決まっている。

イメージなんてどーでもいいんだけど。

「うわっ。谷村とクラス一緒じゃん。」

「え!最悪〜。かまちょと一緒かよー。」

クラスのみんなの声が聞こえてくる。

谷村?誰だろ。

そう思った瞬間、「谷村」と制服に書いている男子が斜め後ろの席に座ったのを、私は横目で見ていた。

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