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問題児とオタク少女

第7章 新たに登場!恋敵?!


放課後ー。

プワァーン

トランペットのいい音が鳴らない。

ピッチも合ってない。

高すぎる。

「あのねー、恋する乙女はピッチが高くなるらしいよー!!」

ビクッ

「えーそうなのー?」

「まじまじ!」

後輩ちゃん達が話をしながら通り過ぎてく。

一瞬気にしてしまったが、そんな事無い、と頭で考えながら、練習を再開した。

「みーゆっ!」

こんな考えを巡らせている時にいきなり名前を呼ばれびっくりした。

そのため、大変女子とは思えない声をあげてしまった。

「うわぁぁっ…はぁ?!」

そこには、海崎 光 がいた。

こいつは男子だ。

「ひ、ひかりん…いくら幼馴染だとはいえ、ひどくない?!こんなか弱い女子に…」

言った瞬間、ひかりんは笑い出した。

あ、ひかりんってのはあだ名ね。

「くくく…か弱いとか…トランペット吹いてて?そんな面白い事言うなよぉ…くく…」

「どこが面白いのよ!もう知らないよっ!」

プイと顔を背け練習に戻ろうとした時、

覚えのある香りが鼻腔をくすぐった。

この香り…ひかりんの?!

とっさに後ろを振り向くと、すぐそばにひかりんの顔が…

「ひ、ひかりぃん!?」

「そんなびっくりしなくても…いーじゃんかー」

ひかりん、ご機嫌斜め。

でも。

びっくりするよ…

だって…

ーひかりんは、私の初恋の人だもん。






放課後ー。谷村side。

「ほんと今日の時間割サイテー!」

「そうなんですか!?」

「そーだったんだよー」

今日は、数学、技術、国語、英語、体育、美術、という、俺たちの嫌いな時間割だった。

「こんな時間割消えて欲しいわー泣」

俺が言う。

すると、

「先輩って好きな人いるんすか?」

後輩の陽太が聞いてきた。

「もちろんいるに決まってんだろー!」

「え!誰ですか?!」

言いたくねぇ…そう思い黙っていた。

「じゃあ俺の兄ちゃんの好きな人言いますよ!」

お?

聞きてぇ…

「誰だよー先言えよ!」

「分かってますよ!2-Cの…佐々木美優って人です!」

え…

まじかよ

そういえばこいつの兄ちゃんって…!

「お、おい!お前の兄ちゃんなんて名前だ…?!」

「え…?ああ。…光です。海崎 光。兄弟で太陽と光なんすよー!」

まさか。

俺の嫌いな、光 だったとはな…。







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