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問題児とオタク少女

第4章 交差する本心

「ねえねえ聞いたー?真衣ちゃんが告白されたらしいよー!」

えっ?

「は?富士崎が?誰に誰に?」

いきなり谷村が話に入ってきた。

「あ!ゆうたヤキモチ焼いてんのー?」

はるちゃんが言った。

ヤキモチ?

え?谷村って真衣ちゃんのこと好きなの?

「別にヤキモチとかじゃねーし。ただ知りたいだけ!」

「へぇ〜?じゃあ教えてあげる。しゃーなしな!実は…」

はるちゃんが谷村に近寄り耳元で何やら言っている。

それにしてもはるちゃん、近くない?!

って…どうでもいいはずなのに…。

もう気にしない!気にしない!

私は頭を切り替えて、やっていない宿題にとりかかった。

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あれから谷村はずっと真衣ちゃんと話をしている。

授業中まで、ずーっと。

あの真面目な真衣ちゃんも話している。

もしかして真衣ちゃん…谷村の事好きなんじゃ…

「おい!さっちゃん!ティッシュ!」

いきなり呼ばれてびっくりした。

いつも通りティッシュを渡した。

そう。渡すまではいつも通りだった。

渡したその瞬間、

「さっちゃん、いつもありがとうな。」

と、急に真面目な顔をして言われたのだ。

「え?いや全然。これが私の役目で…ただあげたいからあげてるだけで…だから…その、えっと…」

やばい。意表を突かれて何も言えなくなっちゃった。

文章力無いんだよね。

「ん?何?」

爽やかに言ってくる。

「あ、あのね!…仲良くしてくれてありがとう!」

まるで小学生みたいな言葉を言ってしまった。

それでも私は後悔していない。

むしろ、ずーっと思っていた事を言えてスッキリだ。

谷村の方を見てみると、何故か俯いていた。

その時私はしんどいのかな?大丈夫かな?としか思わなかった。

しかし、

谷村が俯いて真っ赤になっているのを璃子は見てニヤニヤしていた。











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