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大切な人へ

第5章 終業式


まだ少し教室にも人が残っていた。

私はなるべく目立ちたくなくて
足早に教室から出ていった…



「ごめんね?」

名前も知らない彼の優しい言葉に首をふる

何も言えないまま彼のあとを着いていく…


着いたのは学食の横にある中庭のベンチ
今日はやっていなくて人もいない



「急にごめん。友達大丈夫だった?」

『大丈夫だよ』

普通な感じで話してくれて、少し落ち着き
返事ができた。

並んで座る距離が近く感じる…

視界に入る彼の膝が少しこちらを向いた。



「俺のことわかる?」

急な質問に戸惑っていると


「やっぱりかぁ 笑」

『ごめんっ…どこで会った?』

私が申し訳なく聞くと
いいよと笑顔で話してくれた



彼はクラス委員会議で去年から私を
見かけていたそうだ

去年と今年の体育祭でも近くで
作業をしていたらしい…しかも隣のクラス



私は普段 男の子とあまり話さないし
どちらかと言えば避けてきた…

それは告白をされたくないから
彼の事も見ないようにしていたのだろう



だから井川くんと上田くんは
すごく久しぶりにできた男友達だった


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