飴と鞭と甘いワナ
第7章 episode 2
N side
"雨みたいだから気をつけてね"
肩を軽く叩いてインタビュアーを送り出した。
当てつけ?見せつけ?
ま、どっちも大差ないか
"さ、どんな反応してる?"
……なんておふざけ混じりの軽いノリは背後で吹き上がったおどろおどろしいオーラに一気に飲み込まれた。
例えるならビリビリ肌を刺す……そんな感じ。
ヤバい、やり過ぎた。
そう思った時には遅かった。
長い腕が撓う一瞬の捕獲。
アッと云う間にハンター相葉の腕の中。
抵抗する間もなく貪る様なガツガツしたキスに襲われる。
「んぅ…」
猛禽類みたいな鋭い瞳。
野獣の様な荒々しい息。
怖くて…キツく目を閉じた。
乱暴なキスは相葉さんの怒りの体現。
あまりの性急さに窒息しそう。
勘弁して…なんて背中を叩こうにも……もう意識も絶え絶え。
背筋を這い上がるゾクゾクとした快感。
頭の天辺から足の先まで支配するようなキスの猛攻にクラクラする。
頬から耳朶へ滑ってく指先。
俺の弱いトコなんて熟知されてるから
"……ズルい"
呟きは声にならなかった。
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