飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
頭頂部から、ほぐす指を段々と下げて行く。
耳の後ろのとある部分に
それが辿り着いた時
「…っ」
雅紀の体がピクリ、と震えた
前に偶然触れた時に
…見つけちゃったんだよね
所謂『セイカンタイ』
決定的なトコロじゃないから、まだ感覚としては弱いけど
触れるか触れないかくらいで指を滑らせると
「ん…っ」
雅紀が唇を噛み締めて、声を抑えているのが目に入ってきた。
わざと耳に唇を寄せる。
そして
「…まだ、動かないでね
流してないから」
息を吹き掛けるように囁いて、ついでに耳朶を軽く咬んでみれば
雅紀の両手が、膝に掛けられているブランケットをギュッと掴んだ。
ー…ヤバイ、ゾクゾクする。
眉間に強く皺が寄るくらい、固く閉じられた目の端は
紅く染まっていて。
唇は噛み締めたりムニムニ動かしたりと落ち着かなくて。
…ブランケットを握る指先は小刻みに震えていて。
何これ…
雅紀ってこんなエロい顔するの?
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