飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
素直になれって言われて、“はいそーですか“ なんて出来てたら
苦労しないっつーの。
出来ないから…
アイツが苛めて欲しそうな顔するから
困ってんじゃん。
…ってそんな事よりも!
「ちょっと大野さん…覗き見なんて随分悪趣味じゃね?」
これでしょ。
声も掛けずにただ見てたってさ…
「この店、俺のだもん」
“だから文句ないだろー“ って舌を出すとか。
「…アンタの方が小学生みたい」
その顔を見て、思わず吹き出してしまった。
「なら、先生は潤か」
「言えてる!……じゃなくて!」
俺はわざとらしく咳払いをしてから
「これからは覗き見禁止!」
これを通達しておいた。
万一、こないだの行為みたいなのを見られたら
洒落にならないだろ。
「うん、分かった。…で、相葉ちゃんの事どう思ってるの?」
…振り出しに戻っちゃったよ
「実はさ、こないだ相葉ちゃんに会った」
「は?」
「賭けがどうとかって言ってたけど」
“何賭けたの?“
何だその、子供みたいにワクワクした目は
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