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第1章 【cast1】ミク




それから数日後、真央が来店した。


(あ、真央だ)


俺が気づいた時にはもう真央は帰るところだった。


(帰んのー!?どこ座ってたんだよっ)


なんだか無性に寂しかった。

この間のこともあって、俺は星司が俺を真央の席につけないように内勤や店長らに頼んだんじゃないかと疑った。



星司が真央の鞄を持って、真央の前を歩く。


俺は隙を伺って真央の隣を通りすぎる瞬間に、真央の前に腕を出して通せんぼした。


「わっ、ビックリした!あ、ミクくん!笑」


真央が可愛らしく俺を見上げる。


「もう帰るのー?俺、着いてない!」


「あはは、忙しそうだったもんね」


真央は何気なく言ったんだろうけど、俺のことを見ていた、みたいな言い方に不覚にもまたときめいた。


「帰る前に言ってよ!デブ!」


「デブじゃないし!あはは、また明日も来るからー」


「え?本当に?」


「うん」


(今まで二日連続で来ることなんてなかったのに…)



「じゃなー♪」



真央はご機嫌な様子で帰って行った。


 

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