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第2章 【cast2】星司



だったら俺は真央の何を知ってるっていうんだ?



初めて真央が飲みに来た日、真央から場内をもらった。

どうにか指名客にしたくて毎日メールを送った。


メールを続けて1ヶ月、真央が初めて電話をかけてきた。


『星司くんの両親は何をしてるの?仲良い?』


「元気にしてるけど、あんまり会ってないかな。割とエリート一族でさ、俺だけ落ちこぼれ。ほとんど縁切ってるようなもんだから」


『そうなんだ…』


「真央は?なんかお嬢様っぽいよね」


『うちはシングルマザーで、お母さんが私と弟を一生懸命育ててくれたよ』


「そうなんだ…。一緒に暮らしてるの?」


『今は一人暮らし。…会いたいなー』


「そっかー。会いたい家族がいるのはいいことだね。真央、少しは俺にも会いたがってよ(笑)」


『ふふ、そうだね。電話のお礼に今週飲みに行くね』




その週に真央は本当に飲みに来てくれた。

真央は嘘をつかない。
言いたくないことは言わない。

だから俺も言いたくないことを言わせない。



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