
culb Colors
第2章 【cast2】星司
もう一度、真央を抱きしめようとすると、真央はそれを拒否する。
「初めてcolorsに飲みにいったときは、先輩に“たまには楽しく飲もう”って無理やり連れていかれたけど…」
「……うん」
「お金を払ってるからこそ、甘えても誰も迷惑がらないから、もてなしてくれるから、すごく居心地が良かった。嬉しかったの」
真央はいつも行儀よくキレイに飲むだけ。アフターも休日の誘いも「無理しなくていいよ」って断られてばかりだった。
実際、病院と職場の往復で、そんな時間がなかっただけかもしれないけど
それでも真央はcolorsを、俺を、甘えられる場所だと言う。
真央はいったいどれだけ一人でがんばってきたの?
「バカだな……」
俺は強引に真央を抱き寄せた。
