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君と僕の超短編集

第5章 5


吐息と吐息が重なり甘く交ざりあった夜

隣にあるはずの素肌の温もりを探した


冷たい感触に君を探す


窓辺に佇む君を月の光が照してる


光がキラキラと滴になり君を纏う


ただ空を見つめ涙する君は


そのまま光の波に乗って旅立ってしまいそうで


思わず抱き締めた


「智くん…」


呼びかけに振り向いた君は


「…翔ちゃん…」


そう言いながら泣いた


折れるほど抱き締めた僕の腕の中で君は顔を埋めた


瞳から溢れた滴は
儚く耀く


君を惑わすもの


大丈夫!


僕が全力で守るよ


智くん


おわり

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