テキストサイズ

Cream Puff

第1章 1

~あと少し。~

あと少し。本当に少し。

その一歩が近いようで遠い。

こんなにも近いのに、…満足なんてできない。

もっと…もっと。

俺をちゃんと見てよ。ねぇ…?

「…カーズ?」

「はい?どうかしました?」

「なに考えてんの?」

…そんなに顔を近付けて、俺の気持ちを知ってそういう風にしてるの?

……違うか。

この人はただ、天然なだけだ。

それだから、心配なんだ。

無防備過ぎるんだよ。いつもいつも。

「…カズ?」

「…ゲームの邪魔です。」

なんて可愛くないことをまた言う。

だけど、相葉さんは、

「邪魔しちゃってごめんね。」

って、ふにゃって笑う。

…謝るのは、こっちなのに。

…なんでそんなに優しいんだよ。

だから、好きになっちゃうんだよ。

end

ストーリーメニュー

TOPTOPへ