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パパ、もう一度抱きしめて

第6章 兄と妹


俺が帰宅した時、美緒はまだいなかった。


外は激しい雷雨だ。
交通機関が一部ストップしていると、カーラジオが伝えていた。


美緒に電話をしてもつながらないし、メールも寄越さない。
一体今どこにいるんだ?


俺は落ち着かなかったが、仕方なくリビングのテーブルでパソコン作業を始めた。


午前0時になろうとした時。
マンションの下に車の止まる気配がした。

「っ」

美緒がタクシーで帰って来たと思い、俺は窓に駆け寄って下を覗いた。

しかしそれはタクシーではなく…。助手席から見慣れた傘をさして美緒が出てきた。


美緒は運転席の誰かに丁寧におじぎをして、ドアを閉めた。

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