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LIFE

第4章 まだ恋は始まらない〜ぼくにできること〜

とりあえず雅紀に風呂を勧めて、続けて俺も入った。

風呂上がり手にしたビールをやめて、雅紀にさっき渡しておいたのと同じ水を取る。

ふーっと深呼吸。

ソファに座る雅紀を見て一瞬何も言わずにキスしようとしたけど…いや、違う。

今日の俺は違うんだ。

そう言い聞かせて雅紀の前に立つ。

思い切って言葉を紡ぐ。

「雅紀。
あの…さ…。」

「うん。」

「俺さ、雅紀のこと…

…好きなんだけど。」

「…なに言ってんの?」

無表情の雅紀にちょっとムッとして。

ちゃんと聞けって。

俺の顔を不思議そうに見る。


「好きだ…よ?」


「……」


「ちゃんと付き合いたいって言ったら、お前、どうする?

イヤ?」

「……」

「ごめん。前に色々言ったけど。
本気にならないとか…。

でも本気で好きになった。

だから…」

雅紀の両手を掴んでしゃがんで。その手を見つめる。

そこにポツリと落ちた水滴。

髪の毛、ちゃんと拭いてないの?って顔を見上げると、幾筋もの頬を伝う涙。

あぁ…

もう…

泣かないで…

胸がつぶれそうだ。

親指で拭ってやると俺の肩口に頭をコツンと置いた。

そっと頭を撫でると、

「…和……」

って、俺の名前を声にした。

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