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LIFE

第5章 まだ恋は始まらない〜ぼくのおもい〜

和から家に誘われて。

戸惑ったけど本当はすっごく嬉しかった。

今日来ることが出来なかったはずの和の部屋。

不思議だなぁと見渡してみる。

風呂上がりソファに座る俺の前に立つ和。

真面目な顔でなにを言うんだと身構えてると、

俺に“好きなんだけど”って言う。

……

なに言ってんの?

俺がまともに取り合わないと真剣な表情を崩さずに続ける。


好きだよ

ちゃんと付き合いたい

本気で好きになった


……

信じられない。

次々に降る欲しかった言葉たち。

うそみたいで。

夢なんじゃないか、って。

動くことも、息をするのさえ忘れる。

そんな俺の前にしゃがみ込んで手を握られた。

和の手。

あったかい。

和の手を見つめて…どのくらい経ったんだろ。

和が指で俺の頬を拭う。

俺、泣いてんの?

和が頭を撫でる。

涙が止まらないよ。

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