LIFE
第30章 ぼくのたからもの〜小さな部屋〜
家族も地元も愛してやまない彼のこと。
まーくんは進学、就職どっちにしても残ると思ってた。
だから俺はあえて東京へ出ることにしたんだ。
本当はそばにいたい。
進路はふたりで話し合って…ってなんて思ってた。
女の子からの告白や明るい男女交際。
まーくん、モテるから。
これからも文句を言いながらもそれを見続けるんだと。
諦めにも似たそれは俺の中で当たり前になってた。
そんな俺が感化されたのは仲良くなった大野くん。
まーくんの姿を見つけてぼんやり眺めていた昼休み。
ボソッと言った。
智「にの…なんかせつない。」
和「なにが。」
智「…」
和「なにー?」
智「相葉くんのこと、ほんと好きだねぇ。」
和「まあね。」
まーくんを視線で追いかけながら適当に返事する俺の背中を大野くんはポンポンと叩いて。
せつない、ってまた言った。
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