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LIFE

第3章 まだ恋は始まらない〜出会ってしまったふたり〜

ほろ酔い気分で店を出る。

送りに出てきてくれたママと手を繋いでる雅紀。

「めぐママ。
寒くなったから風邪ひかないようにね。」

「ありがとう。まーくん。
また顔見せてね。」

「うん。」

なんなんだ、この可愛い人。

……

早く連れて帰んないと。

腕を軽く引っ張って手を繋いだ。

あ…

って雅紀はジッとその繋がれた手を見る。

「帰ろう。」

「うん。」

ここは、そういう街。

今は夜。

繋いだ手も振りほどかれない。



ふふふ。

酔いも手伝って素直になれるし。

雅紀って呼ぶ。



黙ってたら少し屈んで顔を近づけたから唇を奪った。



「まーくん?」

「もう!」

顔を赤らめて口を尖らす。

手を絡ませるように繋ぎ直して歩く。

「和?」

「なに?」

「楽しい…。」

「うん。」

「楽しかったね。
今も…楽しい…ね。」

「ねー。」

くふくふ顔を見合わせて笑った。

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