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となりのアイツ AN

第8章 新生活2 かずくん

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「かずくん?眠い?」

わ、びっくりした。

携帯を持ったまま ソファーにもたれて目を閉じてる俺のことを 寝てると勘違いしたのか 

いつの間にか風呂から出てきたまーくんが
心配そうに覗き込んできてる。


「あ、そんなことないよ。もう出たの?俺が待ってるからって早く出なくていいのに…」
「大丈夫だよ、ちゃんとあったまったから。ごめんね、飲まずに待っててくれたの?」

「え?あ、うん。別に…」


一緒に飲みたかったから待ってたよ、
なんて可愛いこと 俺が言えるはずない。


プルタブをブシュッと開けて
缶をカチンと合わせる。


「合格おめでとう」
「え?今頃?」

「お前が俺に言わないからだろー」
「あ、はいはい。そうだったね」

「それから一人暮らしおめでとう」
「これからよろしくお願いします」


明日からもずっと隣にまーくんがいてくれる…。

知らない人ばかりのこの街で、
入学式まで暇だなー、なんて思ってたけど
一気に楽しくなってきた。

後は…やっぱりまーくんの気持ちを知りたい。

俺の横でTVを見ながらぎゃははと笑ってるまーくん…。

二人きり、なんて意識してるのは俺の方だけなのかな?

まーくんは何も感じてないのかな?

ヤバイ…心臓がドキドキしてきゅーんって苦しくなってきた…。



こんなことばっかりやってたら俺は長生きできそうにないぞ。



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