Perfect Romance
第9章 大野智と言う人
そして研修当日
…大ちゃんが来ない
もうすぐ朝礼だってのに、一向に姿を現さない
誤魔化しの資料を纏めながらも、不安になってしまった
だって大ちゃんは、どれだけ睡眠大好きでも
遅刻だけはしなかったから
「相葉」
後ろから、女性にしては低めの落ち着いた声がした
「はい」
声の主は、課長
怒らせたら飛び蹴りがくると言う噂の、とにかくフロア内の影のボス、と言われる人
「大野、少し遅れるから支度しといて」
「え?」
「藤島に寄ってから来るらしいから」
「あ…はい」
今日会うのに?
何かあったのかな
だけどあまり嫌な予感はしなかったのは何でだろう
今思えば
この遅刻も、もしかしたら運命の中のひとつだったのかもしれない
もしも先輩が大ちゃんじゃなかったら
「翔ちゃん」とトモダチじゃなかったら
俺はにのと出会えてなかったんだ
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