Perfect Romance
第10章 Happiness
考えたら、電車に一緒に乗るのって初めてだ
いつも通勤で使ってるのに、隣に相葉さんがいるだけで全く違う電車みたいで
たまたま空いた席に並んで座り、他愛ない話を楽しんでいた
そしたら相葉さんが、自分の脱いだジャケットをさりげなく俺の方に広げてきて
何してんの?って聞こうと口を開きかけた時
…そのジャケットの下から、俺の手を握ってきた
「ちょっ…」
「分からないから大丈夫」
そう言ってにっこり笑う
そりゃ端からは分からないだろうけど
俺の顔は凄く熱くなっていて
絶対赤くなってるって見なくても分かる
こんなの周りに知られたら奇異な目で見られるのに
離したくないって思う気持ちもあって
俺は赤くなってるだろう顔を隠すように俯いた
相葉さんはお構いなしに、ジャケットの下で俺の手のひらを上に返して指を絡めてくる
そしてその手を、相葉さんの腿の上に移動させた
ジャケットと、カバンのカムフラージュ、意味あるのかな
分かる人は分かる気がするんだけど…
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