Perfect Romance
第21章 さよならは言わない
「急に決まった訳じゃないんだ
…前々から話はあったけど、迷っててさ」
櫻井さんがグラスの中の氷を口に入れた
それをガリガリ噛み砕いて、飲み込んでから
「でも、智が一緒に行くっつーから
…決心ついた」
そう言った櫻井さんの顔は晴々としていて
俺の脳裏に “青天の霹靂“ なんて言葉が閃いちゃった事なんて、全然気付いてない
「え、大野さん?…大野さん、辞めちゃうんですか?」
“智が一緒に行く“ の意味をようやく理解した俺は、またフリーズしそうになった
「違うよ。智は異動願い出してくれて、受理されたんだ」
「…櫻井さんのために?」
「お前なぁ…俺が無理強いしたわけじゃねぇぞ」
ー…櫻井さんが転勤の話を大野さんに伝えたら
大野さんは迷う事なく一緒に行く事を決めたらしい
異動願いが受理されなきゃ、他に仕事捜すからいいって…
櫻井さんと一緒なら、好きな仕事を捨てる事になっても構わないと、笑ってたって…
マジですか
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