Perfect Romance
第23章 Perfect Romance
自暴自棄になる寸での処で踏み留まれたのは
やっぱり大ちゃんと翔ちゃんの存在だったんだと思う
自分達の仕事も生活もあるのに
遠く離れた自分を見捨てずに支えてくれて
連休があれば俺を連れ出してくれたり、こっちに来てくれたり
潤くんにまで様子伺い頼んだり
だから俺も、いつまでも塞ぎ込んでもいられなくなって
表面上は、大ちゃん達が安心出来るように
取り繕う事を覚えた
だけどやっぱり、笑う事は出来なくて
仕事にだけ打ち込んで
…こっちにいる人達とは、関わる事を一切しなくなった
かずが俺の前から消えてそろそろ1年が経とうとしていた
食器棚には、変わらずにかずの使っていたカップや茶碗がそのままで
だけど、その主がいないから使われる事もなくて
…俺も自炊なんてしなくなったから
その扉が開けられる事も、段々となくなってきた
だけど、それを処分する気には到底なれなかった
だって捨ててしまったら
…本当にかずに会えなくなってしまう気がするから
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