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キラキラ

第34章 バースト9

ライトアップされた舞台と花道を、一年生のクラスから順番に披露してゆく。

グランプリの賞品の魅力にとりつかれてる全校生徒は、みな本気だ。
歓声もものすごい。
観客席は満席で、立ち見客まででてる。


仮装大会というか、もうほぼコスプレ大会だ。


すごかったのは、手作りウルトラマンだとか、男女が逆転で、美女と野獣だとか。ただし、この場合の美女役の男は完全に笑いに走っていた。

それがウケにウケてて、袖に戻ってきた彼は手応えを感じたらしく、よっしゃーとかいって喜んでる。


なんか……緊張するな


花道の先では、雅紀のクラスのゆるキャラが踊ってる。
出番はこの次だった。


袖で待つ俺の手を、生田が握ってきた。
なにすんだ、気持ち悪い、と振り払いかけて、その冷たさにちょっと驚く。
俺より少し背の高い生田の顔は、よくみたら強ばってて。


「……めちゃめちゃ指冷えてるけど」


俺がぼそっとつっこんだら、生田は、にやりと笑った。


「意外と緊張しいなんだ、俺」


嘘つけよ、と思いながら、


「おまえにかかってんぞ」


と、わざとプレッシャーをかけて、握られた手を思い切り握り返してやった。


「いって!」

「ほら、いくぞ。俺らの番」


司会進行の文化祭実行委員長が、俺らのクラスを読み上げたから、俺は生田の手をぐいっと引っ張った。

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