
キラキラ
第36章 バースト10
二家族とまれるくらいの広さがあり、大人なら六人軽く宿泊できるという角部屋に案内された。
部屋に荷物を置くなり、松岡さんは
「よっしゃ、風呂いくぞ風呂!」
といった。
「いきなり?ちょっと休んでからにしようよ」
「バカ、風呂入ってからゆっくりした方がいいじゃねえか」
「……そぉ?」
熟年夫婦のような松岡さんと智兄の会話に笑いが漏れる。
「修学旅行みたいだね」
「うん。なんかワクワクするね」
相葉くんとかずは、荷物のなかをゴソゴソ漁りながら嬉しそうに笑いあってる。
……でも、俺はたったいま気がついた事実に、ちょっぴり複雑な気持ちを抱えてた。
いや、智兄の金で来てるから文句はいえない。
でも……
俺は、ちらりと潤をみた。
潤は、真剣な顔でタオルやらシャンプーのボトルやらを並べてる。
……そんなものも持ってきてたのかよ?、と、突っ込みたいのを我慢しながら、これからの自分の理性を憂えた。
だって……風呂だぞ。浴衣だぞ……寝るんだぞ。
みんなの前で、潤が肌をさらすんだぞ。
これ……地獄だ。
