
キラキラ
第37章 寵愛一身
松本は、くすりと笑ったみたいだった。
「……ん…………」
もう一度優しくキスされたかと思うと、俺は、そのままゆっくりと後ろに倒された。
背中に感じるマットの感じに、ドキリとしてると、そのまま足を持ち上げられて、ベッドの中央まで寄せられる。
「………………」
松本は、ゆっくりと俺に跨がり、両手を顔の横についた。
いつでも、コトを始められるこの体勢。
いよいよか……、と、腹を決めて、松本を見上げた。
見下ろしてくる、松本の表情は……雄だ。
……でも、真剣にみえるその瞳の奥は、少しだけ不安そうにゆらめいてる。
「……松……本……さん?」
「……二人のときは名前で呼べっつったろ」
「……潤……くん」
「……カズ」
「…………はい」
「……途中でお前が嫌になっても……とまれる自信がない」
「……はい」
「………今ならやめれる」
「はい……」
「いいんだな?」
それは、松本が自分にも言いきかせてる言葉のようでもあった。
だから、俺は、あえて笑ってみせた。
「潤くん」
「…………」
「……きて」
「……カズ」
「俺は、潤くんとしたいです」
……ものすごく恥ずかしいけど、と、俺は、自分の気持ちを正直に伝えた。
松本は、目を見張り、そして、わかった、と頷いた。
