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キラキラ

第38章 バースト11


その後ろで、相葉くんは、控えめに佇み、それを見守ってる。
目が潤んでるのは気のせいではないだろう。

目が覚めたら心配するだろうから、かずのそばにいてほしいなんて、突然の依頼を快く引き受けてくれた。
かずの恋人だということを差し引いても、巻き込んでしまったことにかわりはない。


「ありがとう、相葉くん」


声をかけると、相葉くんは、いいえ、と首を振った。


「みんな無事に帰ってこれて……ほんとによかったです」

「うん……ありがとう」

「俺は、かずの寝顔を見ていられて、役得でしたけどね」

イタズラっぽく肩をすくめてみせる相葉くんに、俺も思わず笑ってしまった。


「ははっ……そっか。……かずは?大丈夫そうか?」


智兄に宥められてるかずは、いまだぐすぐす離れようとしない。
まるで親鳥を求める雛のようだ。

相葉くんは、かずを見守りながら、言う。


「……智さんの呼びかけを拾ったみたいで、突然目覚めたんです……。それから、しばらくは気丈にしてましたけど。智さんの顔みたら我慢できなかったんでしょうね」

「そうか……」

「でも、本調子ではないです。体は全然熱いです」

「わかった。……助かったよ」


心から感謝すると、相葉くんは、微笑んだ。

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