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キラキラ

第2章 ねがい星


「…………」

その問いには答えず、ビール缶を窓辺に置いて、黙って相葉さんの頭を後ろ手にヘッドロックして、唇をよせる。
相葉さんの整った顔が近づいてくるのを、薄目で確認して、パッと手を離して、体を背けた。

「……だから、あいばか ってんだよ」
「えー、なんだよー」

キスを途中でお預けにされた相葉さんが、情けない顔で笑った。

(……俺の体の心配ばっかして)

フッと、笑って立ち上がる。

(たまには、強引に、とか、ないのかね?)

優しい相葉さんには、酷な注文だ、とは、重々承知だけど。
優しすぎる相葉さんに、時々不満になる。

(俺、Mだっけ?……)

自嘲気味に笑って、寝室に向かう。

「あ、相葉さん、そっちね」

リビングの、ソファーベッドの方を指差すと、相葉さんは、ぶうぶうむくれた顔をしてみせた。

「なんでだよー」

「当然でしょ。俺、明日早いの。先に出るから、鍵ちゃんと、閉めてから仕事行ってよね」

言って、じゃね、と手を振り、パタンと扉をしめた。

そのまま扉に耳をおしつけて、外の気配をうかがうと、小さくおやすみ、って声が聞こえる。

(もう……本当に寝んなよ、ばか)

扉に背中を預けて、ため息をついた。
相葉さんを振り回してる自覚はある。

我ながらかわいくないな、とも、思う。

相葉さんが、突然泊まりに来てくれて、嬉しかったくせに。
半分くれたビールや、後ろからのあったかいハグに、ドキリとしたくせに。

ちょっともったいつけたくらいで、すぐひいたから腹がたったんだ……。

「俺って、メンドクセ……」

呟いて、ベッドに、もぞもぞ横になった。

仕事が朝早いのは、本当。
ピンの仕事で、ロケがある。

一発で起きるために購入した、やたらうるさい目覚ましのアラームをあわせる。

(相葉さん、起こさないようにしなきゃな……)

俺は、枕を抱いて、目蓋を閉じた。

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