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sugar-holic2

第7章 深まる疑惑《倉田side》

「そうかぁ…結婚か…」

富永はしかめ面になると、あーあ、と大きなため息を溢した。

「いいよな。順調に人生歩んでる感じで」

「そんなに結婚したいのか?」

実際のところ、俺は結婚に対して、まだそこまでの感慨はない。

同期の富永が結婚を意識してるのが意外だった。

「結婚…したいってのはあるんだけどさ」

しかめ面のまま唇を尖らせて

「このままだと…なんか、俺ら婚期逃しそうじゃねぇ?」

「そうか?」

そんな事、一度も考えたことなかったけどな。

俺の返事があまりにも素っ気なかったからか、富永は眉をひそめて

「今回のプロジェクト、家庭持ちの奴がいないのも策略じゃないかって考えてる」

「策略?何の!?」

こいつは…忙しすぎて頭やられたのか!?

思わず顔をしかめると、富永は声を潜めて

「上の人の。独身者に仕事させて、自分たちは優雅な休日を…とか?」

…何だそれ。

ただのひがみから来る妄想かよ。

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