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「亮くん、優しいね」

私の言葉に苦笑いを浮かべると、照れ隠しなのか

「そんな事ないって」

タオルを押し付けて部屋に戻っていった。

優しいよ。ちゃんと励ましてくれるし。

何だかんだ言っても面倒見いいし。

「ねぇ、お礼にコーヒーでもどう？」

「いいね。ご馳走してくれるの？」

「高橋さんほど美味しく淹れられないけど」

すると、亮くんは苦々しい顔になり

「いいよ、あれはワーカーホリックだから」

ワーカーホリック!?

「家でネルドリップ淹れるなんてさ。手間かかるっつーの」

手間がよく分からなくて首を傾げると

「コーヒー淹れ終わったら、すぐにフィルターを煮沸消毒して水に浸けて冷蔵庫入れるんだよ？その間にコーヒー冷めちゃって…いつ飲むんだっての」

亮くんの口調が。

呆れてるんだってアピールしてるんだろうけど…でも、本当にそうならそんなに詳しく見てないんじゃない？

「休日に一緒にコーヒー飲むくらい仲いいんだね」

「はぁ？仲なんか良くないって！」

「えー？そうかなぁ？」

クスクス笑うと、亮くんが顔をしかめた。