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ビタミン剤

第14章 day off



「海くんはだーめ、お腹壊しちゃうからね
これは翔ちゃんのだから。」

ニノが海を見ながらおにぎりを口元へ持ってきてくれるから、そのかわいい指先ごと口に含ませてやった、最後にちゅっぱって音たてて放した。


「ひやぁ!もう、翔ちゃん。さっさと食べて。」


押し付けられた皿を落っことしそうになってラグの上に置きながら、かずの手を握って甲にくちびるを落とした。


「かずの指の味もめっちゃ美味しい
おにぎりありがと。さっきは拗ねたりしてごめん」

「後で冷めたうどん食べさせてくれたら許す。」

「させちゃうっ食べさせちゃう
なんだったら俺も食べさせてちゃうからっ」

「もう、翔ちゃんのバカバカバーカっ!」


照れちゃって真っ赤になってるし
きっとお口いっぱいに頬張ってがんばってくれてたあの光景を思い出しちゃったりしたのかも。


「あ、ダメ。海くんがおにぎり食べちゃってる
まだ足りないのかな?」

「お、確か食後にミルクもあげてるってノートに書いてたかも。」


海の小さな手には飯粒がいっぱいくっついてて、頬っぺたにも口の周りにもそれをニノが唇で優しく啄ばんで取ってやってる。
俺も負けずに残りのおにぎりをぜんぶ頬張って口の周りに飯粒を付けてやった。


「アハハもう、翔ちゃん男前が台無しなんでそんなことするかなぁ、海くんにヤキモチなんて。」

「だってぇ…」

「おかしなおじちゃんでちゅねぇ。でもね、海くん
このおじちゃんは、とっても男らしくてかっこ良くて、俺のことがだいすきなんだよ。」

「あーい」

海を抱っこしながら、俺の飯粒も優しく啄ばんでくれるニノ。
そしたら海もまるで真似するようにニノにチュッチュッしようとしやがる。

「うふふかわいいなぁ
俺のこともキレイキレイしてくれるのかな。」

「だぁーめだぁーめ!海にはまだ早い!
っつうかおまえね、かずは俺のお嫁さんなの!他のヤツにチュゥなんぞさせてたまるかっ」


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