ビタミン剤
第28章 フタヨンマルマルのシンデレラ
Sside
「はぁはぁはぁ…ただいまぁーっ!」
腕時計を見ると午前零時まであと5分
なんとか間に合った
迷彩が溢れてる靴を脱いで
ばたばたと廊下からリビングへ向かうと
コーヒーを淹れてくれてる恋人がいた。
「ただいまっかず。間に合ったよね?」
「おかえりなさい、翔ちゃん
ギリギリだったけど間に合いましたね
お疲れさま、はいどーぞ」
「うん、ありがと」
和也特製オリジナルブレンド
深夜だから少し薄めで淹れてくれてる
どこで飲む珈琲よりこれが最高の味わい。
「ほら、リュック下ろして
帽子もサングラスも。
珈琲飲むより先にする事があるでしょ?」
「うん…でもせっかくだから
かずの淹れたてが飲みたかったの
とってもいい香りだしすっごく美味しいから」
「ありがと、珈琲だけ?
他にはなにか欲しい物は、食べたい物はないの?」
「ギリギリでも時間、間に合ったから…
おねだりしてもいい?」