ビタミン剤
第38章 愛のある風景
「ん、も、しつこいよ…ぁう
そんなに舐めないで、なんも出ないし」
「んにゃ。かずのここけっこう甘めえぞ、」
「あ、ひっ…んぁ、なに言っ… 」
「今まで抱いた中で
おめえの身体が一番甘くて美味いわ
おいらが毎晩可愛いがって吸い続けてたから、
なんか分泌してるんじゃね?」
カチンときた
おもいっきり殴ってやって
突き飛ばして、無言のままでリビングを出て
寝室に鍵をかけた。
「……っっ痛ってぇ!なにすんだぁ?!」
今まで抱いた中で
そのフレーズが気に食わなかった
その他大勢で一括りされたことも
大野さんは俺のことを1番最高位として表現した
のかもしれないけど
男として受け身で抱かれてる立場
今まで抱いた女どもと同列扱いにされた
怒りに似た感情がフツフツと込み上げていた。
指先はあんなにも繊細で器用なクセして
言葉や態度で表現するのはなんであんなにも
不器用なわけよ!