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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に



御前様

本日の茶葉は支那國より取り寄せたバラ科の
甜葉懸鈎子と言う特別な茶葉となっております

花言葉の愛情との意味のとおり
テンサイ等より製糖するものと比べると
数十倍の甘露な味わいのものとなっておりますが、その白い花をつける茎には
するどい棘が有ります故、
美しくきよらかな花には棘があることを
御前様、どうかお忘れなきよう





こっちへおいで

目元だけで微笑んでそう語ってくる。

優雅な衣装を着た腕を伸ばして引寄せてくれる
執事に有るまじき主人との礼節を欠くほどの
ごく至近距離。


膝の上に抱き抱えられて耳元で囁かれる
あまい午後のアバンチュールの誘いの台詞


蝶ネクタイを外されながら有無を言わさずに塞がれるくちびる。


執事と貴族の夢の中だけのコラボレーション




どんな役柄を演じても
どんな相手と共演しても

どうか
夜毎とのアバンチュールは俺だけにして


夢の中での
雅紀とのキスは蕩けるほどの極上の甘さ。




おわり

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