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えっちの経験値

第9章 忘れた方がいいですか?

「そこまで俺の真似かよ。ま、うちの場合は
母ちゃんが惣菜コーナーだけどな」
「金持ちのボンボンじゃなかったんですね。
ま、どっちでもいいですけど」

笹野をよくよく観察してみると
いたって普通というか質素な出で立ち。

Tシャツにカーゴパンツにスニーカー。

だからといってセンスは悪くなく
清潔感もある。

「なに見てんだよ」
「自惚れないでよ。あなたの後ろに飾ってある
絵画を見てるだけですから」
「それはそれはどうも失礼いたしました」

何なのこいつ。

結局のところ合格のデビュー戦は
笹野としか喋れずに終わった。

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