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えっちの経験値

第2章 一之瀬蓮の事情①

あれから数日が経過したが
互いにアクションを起こすことはなく
一学期の終業式を向かえた。

「先生ッ。夏休み何してるの?」
「どこか連れてってよッ」
「海行こッ。ねぇ、先生ってばッ」

生徒らは俺の何が良くて群がっているのが
未だに謎である。

結城は今日もその群から一歩外れている。

相変わらず俺が目で追うばかりで
結城は俺を見ようともしない。

ただ……いつもと違う仕草が
ひとつだけあった。

結城は自分の唇を
指先でなぞるように触れていた。

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